岸惠子
昨年、好評を博した岸惠子の一人芝居『わりなき恋』が、9月に再演される。
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本作は、3年前に発表しベストセラーとなった同名恋愛小説を、著者である岸みずからが脚本、朗読、さらには衣裳も手掛け、舞台化した意欲作。海外で活躍するドキュメンタリー作家・笙子(69歳)が、パリに向かう機内で大手企業に勤める兼太(58歳)と隣り合ったことをきっかけに惹かれ合い、「最後の恋」を自覚しながらも逢瀬を重ねていく、というストーリーを、岸の朗読で届ける。
今回の再演について岸に話を聞いた。
「やってよかったと思っています。自分で書いて自分でやるんですから、想いも特別ですし」と初演を振り返る岸。「舞台でやってみないかという提案に、最初はとてもダメだと思ったんです。私、舞台慣れしてないから。
舞台は3回しか経験がなかったので。でも、4年かけて思う存分書いた作品ですから、やってみようかって。舞台は、座って読んだらみんな退屈しちゃうと思って立って、衣裳も6回変えて、シナリオも十数回書き直してうんと凝縮して出来上がったものです。だから、1回だけで終わってしまうのがちょっと惜しいなと、再び上演することにしました。