2017年5月9日 18:05
嘘を真実に変えたのは民衆だった『パレード』稽古レポ
ミュージカル『パレード』稽古場より
5月18日(木)に日本初演を迎えるミュージカル『パレード』。20世紀初頭のアメリカで起きたレオ・フランク事件(冤罪)を題材にした作品で、主演の石丸幹二と堀内敬子の17年ぶりのミュージカル共演や、森新太郎が初めて手掛けるミュージカル作品としても注目を浴びている。その稽古場に潜入した。
ミュージカル『パレード』チケット情報
本作は、人種差別の意識やさまざまな思惑、権力、そして世間により、無実の人間(レオ・フランク/石丸)が犯人に仕立て上げられていくさま、夫の無実を信じ疑いを晴らすために動く妻(ルシール・フランク/堀内)の姿を描いた作品。
この日、稽古が行われていたのはレオの裁判シーン。レオの職場のスタッフやフランク家に勤めるメイドらが、レオの身に覚えのない証言を次々と述べ、有罪の判決が下されるというシーンだ。
裁判では、州検事ヒュー・ドーシー(石川禅)は、被害者が最後に着ていた服を持ち出したり、被害者の人生を大げさに語りあげたりと派手なスタンドプレーで陪審員を煽る。冤罪と知っていると余計に白々しく感じるが、その嘘を真実にするのが「民衆」という存在だった。