くらし情報『原作を知る人も知らない人も。『生きる』鹿賀丈史チーム稽古レポ』

2018年10月2日 17:00

原作を知る人も知らない人も。『生きる』鹿賀丈史チーム稽古レポ

息子の妻・一枝役のMay’nも市原同様ミュージカル初出演だが、新しい時代を謳歌する女性を美しい歌声でみせる。そして山西惇が渡辺の意志を阻むヒール・助役をどっしりと演じる。しかしそのなかで、やはり鹿賀の圧倒的な存在感はなんとも言えないものがあった。ただただ判で押したような生活を続けてきた男が余命を知り、生きようともがき始める様を、繊細に豊かに、けれどときにお茶目に演じる。そして歌唱の一つひとつが強烈に胸を打つのだ。

主人公は不治の病で亡くなってしまう。舞台上で必死に生きていた彼がもういないと知るのは寂しくなることなのだが、さまざまな場面で稽古場のスタッフたちが流していたのは、悲しみの涙ではなかったように思う。そこで沸き上がる感情はぜひ劇場で体感してほしい。

66年前に発表された映画『生きる』は、世界のクロサワの代表作のひとつとして今なお愛される作品だ。映画を観たことがある人は、作品と“ミュージカル”という表現方法が結びつきにくいかもしれない。映画を観たことがない人は、静かで高尚で重い世界観をイメージするかもしれない。けれどそのどちらの人にも驚きと発見を届けるような、そんな作品になっている。

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