三ツ矢雄二が立ち上げた“LGBT THEATER”の第1弾
という子供もおり、理想的な家庭を築いている一方、キャサリンは夫に先立たれ、息子のアンドレもエイズで亡くしている。
原田が演じるのは、そんな複雑な感情を秘めたキャサリンだ。「親にとって1番の不幸って、子供が先に死ぬことだと思うんです。それこそキャサリンも身を切られるほどの想いだったろうと。そういう悲しみが怒りになり、孤独になり、さらにはエイズや同性愛に責任転嫁していってしまう。ただキャルもウィルも子供を育てるということにおいては、キャサリンと同じく、母性を理解し始めているんですよね。そのあたりの構成が、非常によくできた戯曲だと思います」
原田のキャスティングについて三ツ矢は、「見た目はとてもたおやかで儚げですが、1本体幹に根性が座っている(笑)。それがキャサリンという女性にぴったりだと思ったんです」と全幅の信頼を寄せる。
また原田も「“いいお母さん”というのが日本の母親役では主流ですが、これまで生きてきて思うのは、女の人ってもっといろんな面があって面白いということ。だから今、こういう母親役をやれるのはとても楽しみです」と期待に胸を膨らませる。
最後に三ツ矢はこう言う。「LGBT THEATERをライフワークにしたい」