くらし情報『3通りの“柚希礼音”が楽しめる、歌とダンス満載の1人ミュージカル』

2019年5月27日 13:50

3通りの“柚希礼音”が楽しめる、歌とダンス満載の1人ミュージカル

舞台上には内側に半円形を描く、しっくい風の白い壁。その全面に、果てまで続く海や天文台が建つ岬がモノクロームで映し出され、物語は始まる。それはどこか遠い異国の風景のようで、白い薄物のガウンにタンクトップ、黒いパンツ、無造作な髪と裸足姿の柚希がピタリとはまり、海外の小説のような雰囲気が漂う。テレビ電話でドクターと会話を交わす「映」は、確かに頼りなさげだが、けして病的な様子ではない。自分の足で仕事を切り拓いてきた女性だけが放つ、洗いざらしのリネンのような、素材そのものの魅力。それを浮き彫りにできるのは、自身もそのように歩んできた柚希だからだろう。その意味でいえば、「ブルー」と「リラ」も柚希の一部としてとらえることができる。オールバックにネクタイ姿の「ブルー」は、さすがのダンディぶり。
赤いドレスをまとった「リラ」も、くるくると変わる表情がなんともチャーミングだ。それぞれの“人格”を、歌もダンスも含めて1時間40分。しっかりと演じ切った柚希に拍手を贈りたい。囲み会見では、柚希と、作・演出を担当した小林香が登壇。柚希は「ひとりで芝居することも、お客様がこんなに近い(客席200名規模の)劇場も初めて。

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