撮影:源 賀津己
名作『ピーターパン』の小説版をウェンディの視点から翻案。『ウェンディ&ピーターパン』として上演された舞台は、目の肥えたロンドンの観客たちを魅了した。そしてついに日本版の上演が決定。ロンドン版同様、演出をジョナサン・マンビィが担う。そこでタイトルロールのウェンディを演じる、黒木華に話を訊いた。
演出のマンビィとの舞台づくりは、16年の『るつぼ』で経験済みの黒木。当時を振り返る口調は、マンビィへの厚い信頼に溢れている。「すごく丁寧で、役者それぞれのいいところを見つけて、引き出してくれる。
物語が広がっていく感じが、とても楽しくて。当時からまた一緒にやりたいですねと話していたので、ジョナサンにとってとても大事なこの作品で、再びご一緒出来ることが本当に嬉しいです」
黒木演じるウェンディが、ダーリング家の長女であることは原作と変わりない。しかしその描かれ方は大きく異なる。「稽古をしている中でウェンディは、家族に大きな影響を与える存在だと感じています。壊れかけた家族を自分がなんとかしないといけないと思っている。ネバーランドに行き、その問題をどう打開していくのか。それがこのウェンディを演じる上でのテーマだと思っています」