シェイクスピアの問題作上演に岡本健一「政治家に見てほしい」
と言葉に力を込める。
浦井は2009年に『ヘンリー六世』でこのカンパニーに参加した時のことをふり返り「(亡くなった)渡辺徹さん、中嶋しゅうさん、金内喜久夫さんら諸先輩方と並んで『浦井って誰なの?』という感じで、僕は公開処刑のような形でここに座ったまま何もできずにいました(苦笑)。そういう先輩たちの思いや存在の価値を感じながら、この2作上演という過酷なトライに挑めることを幸せに思いながら演じたいと思います」と語る。
中嶋は2作交互上演について「それぞれ単体で読むより、2本をいっぺんに読むと、見えてくる世界が違ってきて、それはマジックだと思うし、それを肉体を使って届けるのが楽しみで仕方ないです」とその意義を強調。ソニンは「読めば読むほどシェイクスピアの描く女性は難しい!」と苦笑い。今回の2作、さらに過去に出演したシェイクスピア作品のいずれでも“貞淑な処女”の役だったことに触れつつ「欲とか人間臭さを秘めて、それが透けて見えるような女性像を作っていけたら」と意気込みを語っていた。『尺には尺を』、『終わりよければすべてよし』交互上演は10月18日より新国立劇場中劇場にて開幕。
(文:黒豆直樹)