撮影:北島あや
10月から上野の森美術館にて、フランス印象派の巨匠クロード・モネの展覧会が開催される。ひとりの画家をフィーチャーする企画は多々あれど、展示作品が『100%モネ』で構成される展覧会は珍しい。1874年にパリで第1回印象派展が開催されてから150年の節目を迎えることを記念し、モネの代表作60点以上が国内外から集結する。
開幕に先駆けて、9月6日(水)東京国際フォーラムで記者発表会が行われた。本展の見どころについて、日本側の監修を務める実践女子大学名誉教授・島田紀夫氏は、「モネが描いた『連作』に焦点を当て、モネ芸術がどのように展開していったのかを辿ることができる」と話す。
厳密な意味での連作とは、教会に描かれた聖者の生涯のような、同じモチーフの時間経過を描いたものを指す。しかし並外れた色彩感覚を持つモネは、異なる季節・時間・天候でのモチーフに対する光の移ろいや風の動きなど、一瞬一瞬の表情の違いをカンヴァスに写し取った。「モネにとっての『連作』には独自の意味がある。
ひとつのテーマ、あるいはモチーフを使って緩やかに変化していくという、革新的な表現手法を確立していった」(島田氏)
初来日となる有名作品も多数。