フィンセント・ファン・ゴッホという画家の名前から、自然と『ひまわり』を思い浮かべる人は多いのではないだろうか。『ひまわり』は言うまでもなく、花や果実、文具や楽器など、それ自体では動かないもの(静物)を描いた、「静物画」と呼ばれるもの。ゴッホに限らず、多くの画家たちが静物画を描いている。
そして、ゴッホとその他の画家たちによる静物画に焦点を当てた展覧会が、今回の『ゴッホと静物画-伝統から革新へ』だ。
その音声ガイドのナビゲーターである声優・福山潤は、もともとゴッホに対して“不遇な人”というイメージを抱いていたという。しかし、ガイドの収録を通して「そういうイメージは、自分の耳をカミソリで削ぎ落としてしまった事件などでセンシティブな、コミュニケーションが苦手な人だったように感じてしまうからなのかも。映画やドキュメンタリー、漫画など、多くのエンターテインメントの題材としてさまざまなゴッホ像が描かれているけれど、“絵が好き”だということだけは共通していて、ブレていない。彼が残した絵は結構華やかだし、色合いもすごく前向きにとらえられるものが多いですし。
それこそが作品を通して伝わる、彼の実際の姿だろう」