京都国立博物館で、貴重な寺宝が見られる特別展『東福寺』開催中
紅葉の名所としても知られる京都を代表する禅寺の一つ「東福寺」(京都市東山区)の寺宝をまるごと公開した特別展が、10月7日から京都国立博物館で開催されている。
特別展『東福寺』 チケット情報
「東福寺」は鎌倉時代、摂政・関白を務めた朝廷の最高実力者、九条道家が奈良の東大寺と興福寺を合わせたような大寺院を目指して、中国に留学した高僧、円爾(えんに)を迎えて創建された禅宗寺院。同展では国指定の文化財を100件以上も保有する「東福寺」の特大サイズの仏像や書画、彫刻、調度品などが一堂に会し、同寺の歴史と文化を体感できる内容となっている。
特に重要文化財に指定されている同寺所属の絵仏師 吉山明兆による「五百羅漢図」は、14年に渡る修理期間を経て今回全幅が初公開され、同展最大の見どころ。「五百羅漢図」は釈迦の弟子500人の羅漢が1幅に10人ずつ描かれた色鮮やかな巨大連作で、僧院での生活の様子など50幅(復元模写を含む)が会期中4期に分けて公開される。
ほかにも仏教彫刻や特大サイズの香炉・燭台などの調度品、また明治初期に焼失した巨大本尊の2メートルを超える左手「仏手」も展示され、中世の大建築だった同寺のスケールを体感できる。