撮影:五月女菜穂
シェイクスピアの“ダークコメディ”交互上演『尺には尺を/終わりよければすべてよし』が新国立劇場中劇場で開幕。初日を前に同劇場で会見が行われた。
『尺には尺を』と『終わりよければすべてよし』の2作品は、シェイクスピアの戯曲の中ではそれほど上演回数も多くなく、どちらも最初の全集では“喜劇”に分類されるも、ストーリーもやや複雑で登場人物も屈折したキャラクターが多く、“ダークコメディ(暗い喜劇)”と呼ばれている。
この2作品は時をおかず執筆されたと推測され、ストーリー的にも同じテーマを持つ表裏一体のような戯曲。悲劇とも喜劇ともつかないその結末から「問題劇」とも分類される2作品を交互に上演することで、現代劇かとも思わせるシェイクスピアの鋭い視点と同時代性が浮かび上がる。演出の鵜山仁は「今まで見ていなかったことに目がいったり、圧倒されていたことが実は薄っぺらいものだと分かったり、いろいろな意味でストレッチできるので面白い。正解が何かが分からないことがいいし、人生そのものという感じがする」とコメント。
初日を迎える心境を問われると、岡本健一は「2本同時に稽古をやって、やっと初日を迎えることができるが、正直全体像が全く見えない。