その時選択したことは最善だと思う/誰に見せるでもない爪
第40回「その時選択したことは最善だと思う」
(c)つめをぬるひと
今回は「最近結婚を意識していた恋人に別れを告げられました。そして、就職先が決まりました。
全て1週間以内の出来事で一気に視座が変わったように感じます。自分の門出を自分でお祝いしてあげたいです」という読者投稿だ。
良いことと良くないことが同時に起こって、端から見ればプラマイ0と思われがちだが、その人自身にとっては100と-100の間をめまぐるしく行ったり来たりしている。
そんな中で元気に過ごしていくには何か一つでも支えというか、拠り所にできるものがあると救いになる。
私がつけ爪の販売を始めた頃のことだ。
価格をどうするか考えていて、最初に設定した“1セット1,000円”についてどう思うか当時の彼に聞いたら「ちょっと高くない?」と言われた。
相場を調べた上で設定した価格ではあったのだが、つけ爪に興味のない人からしたら高いと思われるのは仕方ないのかもしれないと思いつつも、私はその価格のまま販売することにした。別にそれが原因ではないが、その年の冬に彼と別れた。
現在、当時のまま1,000円で販売している商品も一部あるけれど、季節ものやその月にしか販売しないもの、材料にコストがかかるものなどは、価格を上げて販売している。