会社の寿命30年説が関係?元社員が明かすフジテレビ凋落の真相
『フジテレビはなぜ凋落したのか』(吉野嘉高著、新潮社)とは辛辣なタイトルですが、それもそのはず。
現在は筑紫女学園大学現代社会学部教授であるものの、著者は1986年にフジテレビに入社し、情報番組、ニュース番組のディレクターやプロデューサーのほか、社会部記者などを務めてきた人物なのです。
つまり、いい時代もそうでない時代も見てきたわけであり、だからこそ、ここに書かれている内容にはとてもリアリティがあります。
しかも共感できるのは、内部にいた人間だからと主観に偏ることなく、可能な限り中立な立場をとることを意識している点。
フジテレビの歴史を1970年代までさかのぼり、以後の番組改革や組織の変化を確認しつつ、その軌跡を再確認しているのです。
つまり“ファクト”を主軸として据えることにより、内部からの視点を維持しつつも、客観性を失っていないというわけです。
そうすることによって、タイトルにもなっている「フジテレビがダメになった理由」を明らかにしようと試みているわけですが、なかでも特に注目すべきは、著者が最終章で「企業の寿命」に焦点を当てている点です。
■フジテレビは本当に寿命なのか?
「フジテレビは終わった」