がん患者の「3割」にうつ的症状!患者の心に響く言葉とは何か?
自分の人生を残された人へのプレゼントとして生き切るという意味で、死ぬという仕事と言っているのです」と教えていただきました。
がんはそれに向き合うきっかけに過ぎない、ということなのですね。
■心の痛みに対応するには傾聴だけでは不十分
メディカル・カフェでは、言葉についで、「対話」を大切にしています。病院や、ときには家庭でさえも得られない「対話」を求めて、患者さんはカフェに集います。
樋野先生によると、対話とは、たんなるおしゃべりではなく「心と心のコミュニケーション」。
対話は、最近注目されるようになった「傾聴」ともまた異なるそうです。「傾聴は話を聴くことが中心で、聴き手が話す割合は全体の二割程度」であり、「心の痛みに対応するには傾聴だけでは不十分」と樋野先生は考えます。
カフェでは、他人の意見の否定や非難はしない、カフェで知った情報は他言しないなどの決まりがあるので、患者さんの尊厳やプライバシーは守られます。
病院でも、家庭でも埋められない、医療や心の隙間をうめる仕組みとしてのメディカル・カフェは、その必要性のためか、いま全国でどんどんその数が増えているそうです。
カフェの運営には医療事業者をはじめ、多数のボランティアが関わり、がん患者以外にも、がんを克服した人や、がん患者の家族も訪れることも少なくありません。