開館5年で300万名が来場!塩尻市立図書館に何が起きたのか?
■2人のキーマンが本の寺子屋を実現
なぜ、いち地方都市の市立図書館がこれほどの企画を継続的に運営できているのか。その陰には2人のキーマンの存在がありました。
1人は、2007年から「本の寺子屋」事業がスタートする2012年春まで同図書館の館長を務めた内野安彦さん。
28年務めた茨城県鹿島市役所からヘッドハンティングされた内野さんは、鹿島市でも務めた図書館長の職に就任。当初、塩尻についての知識を得るため地元の古書店を巡り、古書店主と相談しながら本をそろえるという、非常にユニークな図書館運営を行っていました。
そして、新たなあゆみを始めていた同図書館を、もうひとりのキーマンが訪ねます。
長く出版界に身を置き、河出書房新社で季刊誌「文藝」編集長も務めた長田洋一さん。第一線を退き長野に移り住んだ後も、「いい本」ではなく「売れる本」ばかりがつくられる出版界に危機感を抱いていました。
そんな2人が塩尻の地で出会い、「本の寺子屋」の構想がスタート。長田さんのもつ出版界での人脈を生かし、さまざまな企画を実現しています。
■塩尻市立図書館は本の復権を目指す
「本の寺子屋」が目指すものは「本の復権」。