100歳の精神科医が伝授!人生で「匙加減」が非常に大切な理由
というだけのことです。
ただし、いくら「時代が変わって医療が進歩した」と説得されたとしても、「がん」と診断されれば、不安や恐怖を伴う大きなストレスになったとしてもそれは当然のこと。
そこで著者が引き合いに出しているのは、知人についてのエピソードです。
■がんと仲よく生きれば気持ちも楽!
その人は「がんの治療を10年続けてきたけど、大きくもならず、特別変わりないので、薬も治療もやめた」と話してくれたというのです。
著者は「私はがん治療が専門ではありませんが」と前置きしたうえで、その知人の気持ちは勇気ある素晴らしいものだと感じたのだそうです。
がんに無闇に抗わないことで、がんが静かになるかもしれないということ。事実、その知人は、まさにそんな状態なのでしょう。
がんと仲よく生きることも大切ですし、そうすることで患者さんの気持ちも楽になるということです。
著者の専門分野である精神科の治療においては、「苦しみをよく聞いてあげること」がなにより大切なのだといいます。たしかにそれは、医学的には正しい態度なのでしょう。
しかし、そのことを認めたうえで、著者は実際には「苦しみをよく聞いてあげる」