97歳のエッセイストが教えてくれる「自立したお一人様の極意」
『ほんとうの贅沢』(吉沢久子著、あさ出版)は、今年で97歳になる家事評論家・エッセイストである著者が、「自立」をテーマに自身の考え方を記したエッセイ集。
年齢を重ねてきただけあって、温かく柔らかなことばの裏側に、しっかりとした芯を意識させてくれます。
特に印象的なのは、ひとりで暮らすということについて、確固たる信念を持っていること。というわけで、1章「いくつになっても『自分の足』で立つ」から、「老いて『ひとりで暮らす』ということ」を見てみましょう。
■ひとりでも生活のリズムが大切
ご主人が亡くなり、著者がひとり暮らしをはじめてから、もう30年だそうです。97歳でひとり暮らしをしているというと、「寂しくありませんか」「大変ではありませんか」と心配する人もいるのだとか。
たしかに老いてひとりで暮らしていると聞けば、つらく寂しいことのように思えなくもありません。しかし著者は、「ただ、私はひとりがいいから、それを選んでいるだけなんです」と記しています。
また、ひとり暮らしは気ままですが、やるべきことはしっかりとやり、生活のリズムは大切にしているのだとか。
だからやることはたくさんあり、あっという間に時間が過ぎてしまうといいます。