3人に2人が休まない!日本と大きく違うアメリカの「産休」事情
期間も、女性が平均で4.5週、男性は2.3週(取得した人の平均値)。産前産後を通して約1か月で職場復帰とは、日本ではちょっと考えられませんね。
どうやら、産休を取得しなかった65%の中には、出産後数日で子どもをベビーシッターなどに預けて職場復帰するケースもあるようです。
■取得率低下の裏にある“失業の恐れ”
取得率低下の理由の1つは、経済的な問題です。アメリカでは、出産前後12週を最大とする無給の休業制度があるだけで、政府は休業中の収入を保証していません。
これは、先進国では非常にまれなケースです。
情報分析機関・世界政策分析センターによると、世界186か国のうち有給の産休・育休制度を持つ国は96%。ほぼすべての国が、妊産婦の休業とその間の収入を制度で保障しています。
中でも、EUのほとんどすべての加盟国は少なくとも14週の有給の産休制度を持っていて、給料の3分の2以上が保障されています。同センターによればアメリカは186か国中、有給の産休制度を持たないわずか8か国の1つなのだそう。また、長期の休みはキャリア形成に影響するから、という前向きな理由もあるでしょう。しかし、取得率が下がった最大の理由は失業への恐れです。