アルファベット24文字目「X」が謎を意味するようになった裏側
アルファベットの24文字目にあたるX(エックス)が、謎の人物を表す“ミスターX”や、いつか予測がつかない日“Xデイ”などの言葉に使われているのはご存知のとおり。もともとは、数学用語で未知数を表すものでした。
でも、Xはいつから数学の世界で“未知、謎”という意味になったのでしょうか。その歴史をひもとくと、意外にも約380年前の出版社の都合に行き着きます。
■デカルトの本がきっかけだった!
「我思う、故に我あり」という言葉で有名なフランスの数学者、デカルト。彼は1637年に、『幾何学』という題名の数学書を刊行しようと試みました。
その際にデカルトが思いついたのは、「アルファベットの後ろ3つ、X・Y・Zを未知数として使おう」ということ。
といっても深い意味があったわけではなく、「AやBはいろいろな項目に使われるから、あまり注目されない後ろの文字も使おう」というような感じ。
“X・Y・Z”に深い意味があったわけではないのです。
学校の授業で先生が、「いつも前から当てているから、今日は後ろから発表」というのに近いノリですね。
しかしそこに、出版社の都合が絡みました。
当時の出版に使われていたのは“活字印刷”。