2021年7月26日 23:00
パニック症や老化を告白。青木さやかさんインタビュー#3「明らかに30代後半よりも48歳の今のほうが元気です」
『母』にも書かせていただいたのですが、病状が悪い方の、人への丁寧な関わり方や生活の仕方を知り、「私もこういうふうに最後まで人と接していきたいな」と思うようになりました。人間はいつか死ぬんだけれども、それまでは生きていかないといけないですから。
――死生観にも通じるお言葉ですね。
青木さん以前、上岡龍太郎さんが「大事なのは死ぬことじゃなくて、生きていかなきゃいけない時間があることだ」という趣旨のことをおっしゃっているのを聞いて、そのとおりだなって思ったんです。病気になったことを嘆いてばかりいることもできませんから、生活とか、性格とか、死ぬまでにやっておきたいこととか、自分の中で見直せるところは見直そうと思いました。私はずっと母のことが嫌いだったのですが、母との仲直りもそのひとつだったように思います。それから、病気よりも不安のほうが怖いと実感しました。
――どんな不安を抱えていたのでしょうか?
青木さん肺腺がんになって手術を2回受けました。
そうすると、「またがんになるかもしれない」という不安がいつも私の中にあるんです。この不安を抱えたまま毎日を暮らすことは、手術後のつらい状況のときよりも苦しいような気がする。