くらし情報『美しい街と雨が容赦なく露わにする“若さ”の正体【レイニーデイ・イン・ニューヨーク】』

2020年7月4日 13:00

美しい街と雨が容赦なく露わにする“若さ”の正体【レイニーデイ・イン・ニューヨーク】

アシュレーが映画スターといる様子を見てそのスターの悪口をさらさらと吐き、どこか軽蔑していた母親の知らなかった一面を目の当たりにして慄(おのの)く。自分がどんな人間として存在していくのか、どんなものを愛していくのか、まだ靄(もや)の中にある答えを模索中という感じだ。

一方、アシュレーもまたふわふわとした自我を抱え、定まらない足取りで好奇心のままに歩くが、自分の価値を知ってみたくてしょうがない。男性の目に映る自分の姿に浮き足立ち、物事の優先順位を自分でつけるには至らない。ブロンドで美しい顔だけど、中身はいかにも粗削りの文化系女子で、自己アピールとアイデンティティ喪失が交互に押し寄せているような不安定さがある。だから男性に手を引かれるままに、雨水が流れていくように街を流れて、気付けば方向感覚を失って、1日が過ぎていく。

私が見てほしい姿で私を眼差して

若者同士の恋愛は常にすれ違うし、ちょっとしたトラブルで歯車が一気に逆回転したりするのは当然で、自我が定まっていない者同士が、お互いに勝手に変化し続け、その割には相手の変化を許容できず、相手の目に映る自分の変化に戸惑う。そして自分も相手も、自分が把握していたよりもずっと愚かでずっとすごいのだと納得した時に、少しずつ大人になっていく。

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