——やはり本を作る上で意識したのは「当事者意識」ですか?
みたらし:そうですね、当事者意識については本当に意識をしました。あとはもう一つ、言葉のあやで自分に悪意がなかったとしても誰かを傷つけてしまったり、読み手がそこに書かれている文章や言葉を見て疎外感を感じてしまったりすることがたくさんあります。
例えば、女性がテーマの話をしていたとしても、男性に当てはまる場合もあります。「性別やセクシュアリティに限らずこういう問題はあるよね」と担当さんと話し合いながら、できる限り全方位に気を配りながら書き上げました。
間違った解釈で広がっている言葉を正確に伝えたい
——本を読んでいい意味で教科書みたいだなと思いました。専門用語もきちんと分かりやすく説明されていてスッと入ってきました。
みたらし:心理学の用語って注目度が高くて手に届きやすい分、間違った解釈をされることが多いんです。例えば、最近雑誌やネットで多く見かける「自己肯定感」という言葉もそうなのですが、「自己肯定感=自分をすべて疑いなく愛している」「自分のことを大好きでいなければいけない」のような強迫的な意味合いを含んで使われることが多いと感じていました。
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