2020年10月8日 20:00
「3年働いたらいい人見つけて辞めよう」“スッチー”だった私が昭和おじさん社会について書いている理由
人は誰しもが例外なく環境の影響を受けて生きています。「自立」とは言うけれど、何にも依存していない「自立」はファンタジーで誰もが何かに依存して生きています。たとえ、冷たい雨が降ろうとも傘を貸してくれる人がいるからこそ頑張れるし、逆に自分が誰かに傘を貸して感謝されることで生きている実感を得られることもある。
その中で、長期雇用は生きる上での土台です。健康社会学では「職務保障」という呼び方をしますが、明日のこと、5年後のこと、10年後のことなんて誰にも分かりません。でも、私たちはどこかで「今日もあるし、明日もある」と信じているからこそ「もっと勉強しよう」「もっと頑張ろう」「この資格を取ってこんな仕事をしよう」と思える。これまでの日本企業で受け継がれていた長期雇用は会社の中でそれを保障していました。
人間が生きていく、前に進むのには思いのほかエネルギーがいります。3年後に解雇されるかもしれない、この職場の人間ではなくなるかもしれないとなると「だったら何かに挑戦して冒険するよりも言われたことだけやって問題なく過ごそう」と思ってしまう。会社のことを信頼している自分がいて、会社も自分を信頼していると思えるからこそ、個人の頑張る力や生きる力が引き出されます。
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