2020年10月21日 21:00
いま注目される自然免疫の力…何をどうすれば高まる?【専門医に聞くやさしい免疫学】
またナチュラルキラー細胞が感染した細胞を攻撃して防御する……自然免疫 第4回参照
・第3段階:第2段階までの自然免疫を突破してきた外敵(病原体)を攻撃、排除し、さらに記憶して将来の感染に備える。
自然免疫より数日の時間を要するものの、リンパ球(白血球の一種)が「特異的に作用」(はしか、インフルエンザなど特定の病原体にだけ働くこと)し、一度感染した病原体を記憶する。二度めはその特定の病原体(抗原)に反応して排除する……獲得免疫 第6回参照
自然免疫の役割の新発見が相次ぐ
——ここ20年ほどで、自然免疫のシステムが見直されていると聞きます。
遠山医師:その通りです。日本人の研究者を含めて、多くの研究報告が続いています。2000年ぐらいまでは、医学的に免疫と言えば、前回にお話しした「二度は同じ感染症にかからない『二度なし』」の現象のことである、つまり、獲得免疫の仕組みが免疫の主役なのだ、と考えられていました。しかし、最近の20年ほどで新しい免疫細胞やその働きの発見が相次ぎ、2011年には「自然免疫系の活性化による発見」や、「樹状細胞と、その獲得免疫系における役割の発見」がそれぞれ、ノーベル生理学医学賞を受賞しました。
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