2020年10月21日 21:00
いま注目される自然免疫の力…何をどうすれば高まる?【専門医に聞くやさしい免疫学】
自然免疫は、いわゆる原始的な感染防御システムととらえられてきましたが、実はそうではなく、病原体を特異的に認識して獲得免疫を誘導している、これこそが免疫の主役ではないか、と考えられるようになってきています。
また日本人の研究者が、自然免疫と獲得免疫をつなぐ「トル様(よう)受容体」(TLR)という、病原体の特徴的な構造を見分けるセンサー(受容体)が重要な働きをしていることを発見し、それまでの免疫学の常識をくつがえす成果をあげています。
そこでいまでは、免疫とは何かというと、「自然免疫と獲得免疫、また皮膚・粘膜免疫と全身免疫、それらが互いに連携して協力し合うネットワーク全体を指す」ようになっています。
ただし免疫は今後も新発見が見込まれている分野であり、将来的にどんどん詳細が解明され、発展していくと考えられます。
自然免疫を担う皮膚、粘膜、白血球の力に注目
——免疫システムの第1段階、第2段階の「自然免疫」の力は、皮膚や粘膜、白血球の力によるのでしょうか。
遠山医師:皮膚や粘膜、白血球の力は、免疫のありようと比例すると言えます。ただし、自然免疫であるがゆえに、それらの力は加齢や生活習慣の悪化で低下していきます。
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