くらし情報『老いの兆しが私たちを聡明にしてくれますように【小島慶子】』

2020年11月6日 21:15

老いの兆しが私たちを聡明にしてくれますように【小島慶子】

娘を縛り引き裂く重たい母親を生み出したものは、家庭における父親の不在であり、それをもたらす長時間労働と男らしさの呪いでした。“稼ぐ男が偉い、女はそのお世話役に徹するべし”という価値観が全ての人にインストールされてしまった社会を、精神保健福祉士の斉藤章佳さんは“男尊女卑依存症社会”(拙著対談集『さよなら!ハラスメント』参照)と命名しています。

まさに自ら依存症に陥っていることに気づいた娘たちは、離脱を試みては挫折し、恐れ、諦め、抵抗し、のたうちまわってきたのです。

男女平等だから、レースに参加していいよ!と言われても、車両はすでに男性で満杯。男だらけの列車の脇を山姥みたいに自力で走るか、俄仕立て(にわかじたて)のトロッコにたった一人で乗り込むか、そうでなければ「可愛い女子いらんかね!」と車窓に向かって微笑んで、華やぎ要員として乗せてもらうか。若い頃、「いやー普通に採用したら女性ばかりになっちゃうよー」と笑うおじさんは、女子の優秀さを褒めているのかと思っていました。数年前に医大の入試の不正操作が明らかになった時にようやく、そうかあれって性差別だったんだ、怒っていいんだよね……と気がついたのです。

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