2020年11月25日 20:45
「育てたいと願う大人もいる」妊娠・育児に悩む親に知ってほしいこと

著作『産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ』(KADOKAWA)で、日本ではまだ珍しい特別養子縁組のリアルをつづった池田麻里奈さんと池田紀行さんご夫婦。
麻里奈さんが30歳のときから不妊治療をはじめ、2度の流産と死産を経て、子宮を全摘。10年以上の妊活マラソンに終止符を打ったふたりは、妻44歳、夫46歳のときに、特別養子縁組で生後5日の赤ちゃんを迎えます。
おふたりが現在の暮らしを決断するまでについて、麻里奈さんにお話をうかがいました。第2回はボランティアをしていた乳児院で感じたことについて。
*トップ画像提供:「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」(KADOKAWA)
撮影/回里純子
【前回は…】フルタイム勤務で妊活していた日々。当時の自分に伝えたいこと
「このままで良いわけない」と震えた心
——養子縁組を本格的に考え出したのはいつごろでしょうか。
池田麻里奈さん(以下、池田):2013年、37歳のころです。それまでは、体外受精をして、妊娠したり流産したり死産したりがあって、そのたびに夫婦の中で消えてしまうワードだったのですが。
——何かきっかけがあったのですか?
池田:死産を経験したあと仕事をやめてしまったので、社会復帰のリハビリも兼ねて乳児院でボランティアを始めたんです。
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