2020年11月26日 20:45
シングルファザーの家庭で育ち、実感した「育ててくれる人」のありがたさ

著作『産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ』(KADOKAWA)で、日本ではまだ珍しい特別養子縁組のリアルをつづった池田麻里奈さんと池田紀行さんご夫婦。
麻里奈さんが30歳のときから不妊治療をはじめ、2度の流産と死産を経て、子宮を全摘。10年以上の妊活マラソンに終止符を打ったふたりは、妻44歳、夫46歳のときに、特別養子縁組で生後5日の赤ちゃんを迎えます。
おふたりが現在の暮らしを決断するまでについて、麻里奈さんにお話をうかがいました。最終回は、麻里奈さんが「産めないけれど、育てたい」と思う背景について教えていただきました。
撮影/回里純子
自分が産んだかどうかは関係ない
——本には夫の紀行さんの回想コラムも入っていますけど、本になって初めて気づいた本心、などはありましたか?
池田麻里奈さん(以下、池田):夫の原稿は編集さんを間に挟んでいたのであまり読んでいなかったんですよ。完成した本を読んでみたら、養子縁組をのらりくらり避けていたというか、ごまかしていたっていうようなくだりがありましたね。
当時、何度も打診したり、そのワードを言っていたんですけど。なんだ、はぐらかされていたんだなっていうふうに思って、びっくりしました(笑)。
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