2020年11月26日 20:45
シングルファザーの家庭で育ち、実感した「育ててくれる人」のありがたさ
——今では積極的に育児に取り組まれて、お子さんにメロメロのパートナーさんですが、最初は「血のつながらない子」を育てることに不安があったようですね。将来子どもが仮に犯罪を犯してしまったとき、「自分の愛情のかけ方や育て方ではなく、『血や遺伝』のせいにしてしまう恐怖がありました」と書かれています。
池田:そのことに関してはすごく強い責任感があったみたいで。思春期にグレたら、とかだいぶ先のことまで考えているから不安だっていうふうに言われました。
——麻里奈さんは、思春期でグレたらグレたときじゃないか、みたいな感じだったんですか?
池田:私は、血がつながっているとかつながっていないというのは関係ないと考えていました。不妊治療と並行して、児童養護施設や乳児院などの施設を退所した10代~30代の若者が集まるアフターケア団体に通い交流を続けていたのですが、血がつながっている家族に意味もなく殴られたり、家族全員からいじめられたり、ときには「産まなきゃよかった」なんていう自己肯定感をズタズタにされるような言葉をかけられたという人もいました。血がつながっているからという傲りがあるのか、なんでも放置、言わなくても伝わるだろうみたいな関係性にさみしさを感じていたり、血のつながりを呪縛のように感じて苦しんでいたりする人もいました。
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