
ひがみ、ねたみ、そねみなのか、無邪気なのか。アドバイスかクソバイスか……。私たちをモヤっとさせる言葉を収集する「モヤる言葉図鑑」。
作家のアルテイシアさんと一緒に「モヤる言葉」を観察していきます。今回は「夫の浮気を許すのがいい女」です。
「妻の鑑」「神対応」に、えっ?
「夫の浮気を許すのがいい女」
男性に都合のいい言葉オブ・ザ・ワールドである。
歌舞伎役者や元議員の浮気が発覚した時、「離婚はしません」「夫婦で反省して再出発します」と頭を下げる妻を「妻の鑑」「神対応」とメディアが評価するのをたびたび目にする。
その絵面に「家父長制のニオイがプンプンするぜッー!!」とスピードワゴン顔になる。
もし浮気したのが女だったら「妻の浮気を許すのがいい男」とは言われず、むしろ「男のくせに情けない」と言われるんじゃないか。
「浮気は男の甲斐性」「女遊びは芸のこやし」なども、男性にだけ使われる言葉である。
男の浮気には寛容で、女の浮気には不寛容。ジェンダーギャップ指数121位のヘルジャパンは、明治から変わらず、男に都合のいい国家なのだ。
明治時代の姦通罪は、不倫した妻(とその相手の男性)
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