
CHEMISTRY、平井堅、JUJU、三代目J Soul Brothersと言った名だたるアーティストの楽曲を手がけてきた音楽プロデューサーの松尾潔(まつお・きよし)さん(53)による初の長編小説『永遠の仮眠』(新潮社)が2月に発売されました。
テレビドラマの主題歌制作に苦心する、音楽プロデューサーの悟を主人公に音楽業界という巨大産業の内実を生々しく描いた作品で、悟が発掘したシンガー・義人との絆やドラマプロデューサー・多田羅との対立が生き生きとつづられています。
これまで提供した楽曲の累計セールス枚数は3000万枚を超え、2008年には日本レコード大賞の大賞を受賞するなど、”超売れっ子”プロデューサーの松尾さんですが、30代の頃は「40歳で音楽をやめようと考えていた」と話します。松尾さんが音楽をやめなかった理由は?小説を書こうと思った経緯は?松尾さんに話を聞きました。
音楽業界を舞台にした小説を執筆した理由
——小説を執筆された経緯から教えてください。
松尾潔さん(以下、松尾):子供のころから本が大好きで、中でも小説が大好きでした。それで漠然と文章を書くようなことを仕事にしたいと思っていました。
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