
歯が痛いけれど歯医者に行くのが怖い、ギンギンという音を聞くだけで体が震える、一生行きたくない…周囲にそう話す人はたくさんいます。筆者も子どものころ、乳歯の治療で痛いめにあった記憶が鮮明で、いまでも歯が痛いときは限界まで鎮痛剤でだましだまし過ごしています。
どうにかならないものかと、『すべての不調は口から始まる』(集英社新書)の著者で歯学博士の江上一郎医師に前後編の2回で尋ねます。
子どものときの治療時の痛みがトラウマに
——歯医者に行きたくない、怖いと言う人に詳しく話を聞くと、「子どものころの痛みの記憶」と「おとなになってからでも、治療時に納得がいかない痛みを伴った」、「歯科医にぞんざいに扱われた」といった理由が挙げられます。
江上医師:子どもさんを始め、おとなでも歯科に好んで通うという人はあまりいないでしょう。「機器の音、におい、レントゲンを撮るだけで、痛みを連想する」と言う患者さんも多いです。
それに、体験談のとおり、「歯科医や歯科衛生士に不快な態度をとられたことがある」「痛みを理解してもらえなかった」「治療後に痛みがすぐに再発した」と打ち明ける患者さんもいます。歯科医やスタッフらの対応が原因であることも多いと思われます。
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