
下痢や便秘が長く続いたり、下痢と便秘をくり返したりすることはありませんか。「電車で急におなかが痛くなってトイレのために下車しなければならない」「ウエブでプレゼンする日の1週間前から便秘がひどくなる」などという声を聞きます。そうした症状は「過敏性腸症候群(IBS)」という病気かもしれません。
つらいこの病気について、消化器病専門医・指導医、消化器内視鏡専門医・指導医でむらのクリニック(大阪市中央区)の村野実之(みつゆき)院長に、連載にて症状、治療法、ケア法などを聞いています。
第1回は症状のチェックリストや特徴について、第2回は原因について、第3回は治療法と薬について詳しく教えてもらいました(リンク先は文末参照)。今回は食事によるセルフケア法について尋ねます。
村野実之医師
FODMAPとは過敏性腸症候群の原因となる食事
——過敏性腸症候群のケアとなる食事法として、炭水化物に含まれる特定の糖質の『FODMAP(フォドマップ)』が注目されているそうです。どういうものでしょうか。
村野医師:まず、FODMAPとは、過敏性腸症候群を引き起こす可能性がある糖質のことを示します。次の複数の糖質の頭文字の略称です。
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