——独立後に感じたことや新たな発見はありましたか?
水野:「音楽に集中できるのは幸せなことなんだ」と、つくづく感じました。いろんな人が働いてくれているおかげでそういう環境を与えられてるということが如実に分かりますし。ミュージシャンって、神輿(みこし)にかついでもらうような存在なんです。
こんなふうに取材を受けさせていただくときも、準備ができてるじゃないですか。取材部屋や水が用意されていて、僕はただ思っていることをしゃべるだけでいい。でも本当は、スケジュールを合わせたり、メイクやカメラマンの方を手配したり、当たり前ですけど事前準備をしなくちゃいけない。取材が終わっても、原稿のやり取りがあったりとか。そういう動きは、演者から見えないんですよね。
だから、独立してからは、「自分がやっていることは当たり前のことじゃない」「やらせてもらえることは当たり前じゃない」ことを、より強く感じるようになりました。
「多種多様な感情に寄り添える」歌の可能性
——水野さんにとって、コロナ禍はどんな期間でしたか?
水野:ツアーができないことが一番大きかったですね。お客さんの前でできなくて、すごく大変でした。
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