エッセイにも書きましたけど、顔を出しているので、誹謗中傷や怖い言葉をかけられることもあります。でも、そんな人たちが「いきものがかりの曲をカラオケで歌った」などとつぶやいていたりするんですよね。「この人も自分の曲を聞いているんだよな」「曲はこの人と仲良くなってるんだ」って、ポジティブに考えられるようになっていて。自分という人間だけじゃなかなか分かり合えないかもしれないけれど、そこを越えていくために歌を作っているのかもしれないです。
頭は“親友”山下くんのことでいっぱい
——書き下ろしの「親友」の章では、元メンバーの山下穂尊さんについてつづられています。
水野:ちょうど、このエッセイ集を出すときに、加筆で何本か書きましょうという話になって。事前にスケジュールをいただいてたんですけど、締め切りの直前に山下くんの脱退発表があったんです。締め切りが近づいてきて、「書かなきゃ!」って思っているんだけど、頭の中は山下くんのことしかなくて……(笑)。この頭で日常のことを書いても上の空だなと思ったので、締め切りを伸ばしてもらって、山下くんのことを書かせていただきました。
やっぱり気持ちが乗ってるほうがいいし、自分も一度整理しておきたいなという思いもあって。
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