というプレッシャーもあったようで、用意した回答を読みながら答えてくれたりしていた。語る機会がほとんどない話題だからか、「こんな話で大丈夫ですかね?」ってみなさんしきりに心配していたけど、話があちこちに飛びながら段々と熱を帯びていく感じがすごく面白くて。
安次富:取材で脱線すると、想定外の面白さが出てくることってありますよね。
清田:良くも悪くも整ったストーリーを超えて、偏りやほころびみたいなものを感じる部分にその人らしさが出てきたりする。たとえば、本書に登場するシングルファーザーの男性は、仕事も趣味も子育ても、あらゆるものが見事に「合理化」されていて驚いたんだけど、本人は途中までその自覚がなかった。
こだわりが、ある種の哲学のように
安次富:へぇー。そのエピソードを聞かせてください。
清田:彼は就職した先でも、戦略的に人脈を構築することで売り上げを伸ばしてきた。恋人との人生設計も、「一人暮らしより二人で住むほうが効率いい」などの理由で結婚を選択していた。そういう話を聞くにつれ、何かと合理的な思考をする人なんだなってことをだんだん感じてきて。
安次富:子育てのプロセスでも生活のDXを推し進めていると書いてありますね。
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