たとえばこちらが話の途中で「ん?」とか「うーん……」っていう反応を見せれば、即座にシャッターを閉じられてしまうかもという思いもあって、だから基本的には相づちを打ちながら傾聴し、ときに自分の話もしながら対話することを心がけてた。
安次富:やべーこと言ってんなと思うことはありませんでしたか?
清田:もちろん、賛同できない意見やツッコミを入れたい発言も正直あった。だけど、自分の中にも似たような考えがあったり、かつて同様のことを言ったりしていたなって思いも同時にわき起こってきて。だから基本的にジャッジはせず、「そういう気持ちになっちゃうのはどうしてなんでしょうね……」って一緒に語らっていったという感じでしょうか。
本音に宿っているものを漂白しない
安次富:炎上リスクとかも配慮しましたか?
清田:もちろん炎上リスクはできるだけ軽減したいけど……この企画の場合、配慮しすぎてしまうことで語りのリアリティが損なわれる側面もあって難しかった。「彼らが語ったことを自分(清田)が執筆して載せる」という構造になっているから、「批判が起こるかもしれないから表現を変えよう」ということをいくらでもできてしまう。
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