であることにコンプレックスを感じているという話も出てきて。
安次富:あー。「ふつう」でも「ふつう」じゃなくても、それなりに苦しい。わかるなぁ……。どっちもありますよね。なんなら日替わりであるくらい揺らぎます。
清田:そうやって、インタビューを進めるにつれて少しずつ輪郭が見えてきたり、逆にイメージが揺らいできたりしながら、「一般男性」とは何かについて考えたのがこの本です。
リモートで「あなたの悩みを聞かせてください」
安次富:この企画は、清田さんの「note」でも取材を受けてくれる人を募集していましたよね。どのくらい集まりましたか?
清田:主旨やタイミングが合わなかったりで実際のインタビューまで繋がった人は多くはないんだけど、総数は20人くらいだったと思う。このほかにも人づてに紹介してもらった男性に話を聞かせてもらいました。大変だったのは、取材時期とコロナ禍がちょうど重なってしまったこと。ほぼリモートで話を聞くことになって。安次富:あー。初対面で「あなたの生きづらさやコンプレックスについて聞かせてください」と言われるのは、聞かれる側もハードルが高い。
清田:そうなんだよね……。プライバシーに直結する問題を扱うわけで、信頼関係を構築できないと成立しない企画なので、結果的には知人の紹介であったり、桃山商事のことを予め知っていたりと、なんらかの接点や縁がある男性が大半になりました。
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