
学生時代は成績優秀でアート系の才能や文才もあるのに、つい新しいものに目移りばかりして決定的な道を見つけられないアラサー女性の日々を描いたノルウェー映画『わたしは最悪。』(ヨアキム・トリアー監督)が7月1日に公開されました。
「何者にもなれないわたし」の迷走と葛藤
成績優秀で医学を志すも「これは自分じゃない」と心理学に転向。心理学を学ぶもののしっくりこなくて写真家を目指す……と次々と目新しいものに飛びつき、いまだ人生の脇役のような気分のユリヤが主人公。
ユリヤの恋人でグラフィックノベル作家として成功した年上のアクセル(アンデルシュ・ダニエルセン・リー)は、妻や母といったポジションをすすめてくる。ある夜、招待されていないパーティーに紛れ込んだユリヤは、若くて魅力的なアイヴィン(ヘルベルト・ノルドルム)に出会う。新たな恋の勢いに乗って、ユリヤは今度こそ自分の人生の主役の座をつかもうとするのだが……。
主人公・ユリヤを演じたのは、今作が映画初主演となるレナーテ・レインスヴェ。子供の無邪気さと愚かさ、大人のずるさと賢明さが混在する年代の感情の揺れ動きを繊細かつ大胆に演じ、2021年の第74回カンヌ国際映画祭で女優賞に輝いた。
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