2017年8月3日 14:45
“幸せのテンプレ”に振り回されないで…「これが女子の生きる道」なんてない

私たち女性をよくも悪くも悩ます「結婚」。
そんな「結婚」をテーマに、江戸末期、明治大正、昭和と不思議な縁でつながる3人の女性たちを描いた歴史エンターテインメントが高殿円さんによる小説『政略結婚』(角川書店)です。
「結婚」をテーマに小説を執筆した経緯や3人のヒロインを描くことで伝えたかったことなど、高殿さんに3回にわたって話を聞きました。
江戸時代、地方にもキャリア女子はいました
——前回は「黄金の国、キラキラしているイメージがある」ことから金沢を舞台にしたというお話でしたが、現地の取材などはされたのでしょうか。
高殿円(以下、高殿):「新聞で日刊連載をお願いします」と言われた時点で連載スタートがかなり間近に迫っていたんです。じゃ、とにかく行ってみようということで、新聞連載時には挿絵を、そして単行本化の際にカバーイラストを描いてくださった白浜鴎先生と一緒に金沢へ行きました。とにかく現場だ!という感じで、突撃取材。
歴史博物館や県立図書館等、いけるところは片っ端からあたったりもしたのですが、加賀藩のものがメインで(第一章の主人公、勇姫が嫁いだ先の)残念ながら支藩の史料はほとんど残っていなかったんです。
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