くらし情報『<真木よう子型女子>不安定な演技派美人が35歳を過ぎて経験する壁』

<真木よう子型女子>不安定な演技派美人が35歳を過ぎて経験する壁

2018年4月14日 13:01
 

目次

・「危なっかしい魅力」は文字通り危なっかしい
・仕事ぶりにこそ人が映し出される
・オフィスで「女優」やる美人は生き残らない?
・30代で経験する、ソロプレーヤー脱皮の壁
<真木よう子型女子>不安定な演技派美人が35歳を過ぎて経験する壁

河崎環さんによるこの連載、今回取り上げるのは、女優の真木よう子さんです。昨年から「コミックマーケット」参加炎上や、SNSのアカウント削除、体調不良による映画の降板、所属事務所からの独立と、本業以外で注目を集めてしまった真木さん。彼女を通して見る35歳を過ぎて経験する壁とは……?

「危なっかしい魅力」は文字通り危なっかしい

若手女優や俳優の「演技派」や「スキャンダラス」という評価は、往々にしてプライベートの危なっかしさ、不安定さと背中合わせなのだろうと思う。

世の中には、特に芸能界には、「不安定な美人」というジャンルがある。美人というのは往々にして世間から不躾で無責任な注目を浴びるもので、そのプレッシャーに耐えかねて不安定になる、という部分もあるだろう。だがそれ以上に、元来の不安定さが人の目には、「美しさ」に見えるのかもしれない。「危なっかしい魅力」とはそういうことではないだろうか。

女優の真木よう子もまた、そんな「危なっかしさ」と隣り合わせにいる人だ。

スキャンダラスで演技派、時に好戦的とも呼べるほどの凄みあるエロスを醸し、日本アカデミー賞では、主演・助演のダブル受賞を果たすほどなのだが、昨年SNSで叩かれ「暴れた」。主演ドラマの不調や本人の疲労も重なったのか、騒動以降、SNSのアカウントを削除。所属事務所とのマネジメント契約も終了するなど、このまましばらく姿を消してしまうのかと思いきや、出演する映画の完成披露試写会に笑顔で立って見せた。

今回からパートナーとなる、映画とファッションとイケメンを愛する自称毒舌女子のB子が言いました。

「ねえ河崎さーん、真木よう子さんが久しぶりに公の場に姿を見せたことが話題になっていましたね。会場で、前向きに生きる秘訣は『笑うこと』っておっしゃったようですけど、昨年いろいろありましたもんね。重みがなんか違いますよね」

仕事ぶりにこそ人が映し出される

河崎:また複雑なところを……(すすり泣く)。

B子:俳優の仲代達矢さんが主宰する「無名塾」出身の「演技派」と言われて各種映画賞を総なめした真木よう子さんでしたけど、私最近、真木よう子さんの「演技派」っていう評価に疑問を持っているんですよね。

河崎:ああそんなアグレッシブな……やめてくださいよ、もう……。B子っていうだけあって、ブラックなんだから……。

B子:なに言ってるんですか、河崎さんって普段は露悪趣味があるくせに、すぐそういうところで日和りますよね。心を強く持って連載続けなきゃダメですよ。

河崎:……ショック。さらっと深くディスりますね。

B子:(無視して)私、彼女が日本アカデミー賞主演女優賞を受賞した『さよなら渓谷』を見たとき、そこから1ヶ月くらい「私は生まれ変わったら真木よう子になりたい」と思っていたんですよ。前は好きだったんですけど、ただそのあとはどれを見ても一本調子に思えてしまって。それにあの『セシルのもくろみ』(フジテレビ系)と『SUNNY』降板の頃のツイッターでのこじれっぷりは……。私の憧れはどこへ!!!って感じで。

河崎:B子さん攻めますねぇ。「プッツン」キャラや天然ボケキャラで頭角を現す女性芸能人は昔からたくさんいるけれど、キャラと現実を使い分けている人も多いですよね。「和を以て尊しとなす」同調圧力バンザイの日本社会において、そのホンモノぶりっていうのは、実際に仕事を放り投げたり精神の健康をいちじるしく害したり失踪したりして初めて証明される気がします。本当に怖いことに、仕事ぶりにこそ人が表れますよね。

オフィスで「女優」やる美人は生き残らない?

B子:危なっかしい美人って、オフィスにもいます。だいたいが、仕事がデキる一方で恋が下手だとか恋多き女だとか。でも仕事場でそういうスキャンダラスさや演技派感をまとわれちゃうと、付き合いが難しいですよね。オフィスで「女優」やってる人を見ると、「もうお腹いっぱいだよ、何しに来てんだ」と。

河崎:「演技派女優」とまでは言わずとも、職場で「私、フツーの女じゃないのよ」感を醸し出している女性はいるかもしれませんねぇ。そういうのって、本人は自分オンステージショーだから気持ちいいんですよ。でも周囲の信頼が育たない。それって、顧客やチームのためじゃなくて自分のための「演技派女優」だからじゃないかなって思うんです。

B子:「みんな私を見て!」「ホラ上手でしょう!」ですね。

河崎:年齢を経ても生き残っていく女性人材、敵もいるかもしれないけれど周りの支持もあつい女性人材をいろいろ見ていて気づくのは、そういう「みんな私を見て!」の人はキャリア晩年で残っていない。若いときには目立つから単体で注目を浴びるけれど、周囲の人材やチームを育てることができなくて、年齢相応の信頼を得ていないんです。で、むしろ地味で手堅い人の方がよほど信頼を集めていく。ソロの時に名を成していなくても、チームになってから名を成す人がいるんですよ。これ、女性でも男性でもそうですよね。

30代で経験する、ソロプレーヤー脱皮の壁

B子:管理職をできるかどうか、ですよね。

河崎:だから、真木よう子さんが35という年齢で経験した挫折に、私はその年頃の働く女性がぶつかる「管理職の壁」のようなものを重ね合わせて見ていました。優秀なソロプレーからチームプレーへ移行できるか。なんなら「承認してもらう側」から「承認する側」へ脱皮できるか。

B子:オフィスで言うと、才能のある若手から、「あいつなら」と信頼できる中堅、そして事業を引っ張り結果が出せるリーダーへ進化できるかどうかだと。30代って、当たり前ですけれど、公私共に生きる道を自分で作り上げていく、女性にも男性にもすごく大事な時期ですよね。

河崎:だから女優・俳優さんなどで、自分ばっかりじゃなくてチームプレーが視野に入っている人がいい役者さんになっていくんじゃないかなぁ。自分の演技が上手いのではなくて、裏方のスタッフも含めた全員の仕事が結実して映画や舞台が成功しているのを理解している人たち。

そしてそういう人は一本調子にならないですよね。なぜなら、役柄や場やメンバーやリクエストに応じてスタンスも演技も柔軟に変えられる実力があるから。名バイプレイヤー(脇役)にスポットライトが当たり、そんな彼らこそ主演に担ぎ上げられてしっとりとしたいい作品が撮られるようになったのは、その辺りの需要かもしれません。きっと生き残る人の能力って、多面的なんです。

(河崎 環)

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