2019年11月29日 21:45
失敗より怖いのは“成功のテンプレート”に頼ること【私、失敗ばかりなので】

「失敗が怖い」っていうけど、よく考えてみれば失敗ってなんだろう。そんなに取り返しのつかないものなのでしょうか——。
10月に『私、失敗ばかりなので―へこたれない仕事術―』(新潮社)を上梓した、テレビ朝日でドラマのプロデューサーを務める内山聖子(うちやま・さとこ)さんに、失敗について聞くこの連載。最終回は、ドラマの制作を通じて感じることについて話していただきました。
内山聖子さん
誰かの失敗をドラマで想像してみて
——『ドクターX』の主人公、大門未知子が、束縛や権威を嫌い、専門医のライセンスと叩き上げのスキルだけを武器に突き進んでいく姿を見るのは気持ちがいいです。でも一方で、ドラマだから成り立つことだよねと諦めに似た感情を抱くこともあります。
内山聖子さん(以下、内山):だからこそ、ドラマはおもしろいんだと思いますよ。等身大の自分とは違う、この世にいそうでいない人に会えるんですから。私はいつも、ドラマの登場人物を友達だと思って見ています。腹の立つ友達もいるし、出会えてよかったと思える友達もいる。こんな生き方ができたらと憧れる人もいれば、私と同じような失敗をしているなと共感できる人もいる。
…