2018年11月1日 14:26
気まぐれでドS…シャム猫に振り回される夜のデート【猫カレ】
とせかす秘書をなだめ、リムジンへ乗る。
さて、移動中に仕事のメールでも片づけておくとしよう。
LINEは未読のままでいい。
意地でも、お前に返事はしない。
直前まで来るか来ないか、ハラハラしているお前の顔が可愛いからな。
どうせ会ったら、ニコニコ笑顔になって、それから怒り出すんだろう。
もう、また連絡しないで、心配したんだからね!
その心配そうな怒り顔が、俺のフル回転していた脳のスイッチを切ってくれる。
それに、社員2,000人を率いる俺を振り回す女なんて、いてはならない。
それがたとえお前でも。
俺はお前に飼いならされたりなんかしない。
お前の主人が俺だということをわからせてやらなければ。
だからこうして、気まぐれに振り回す。
覇者の女になるということは、そういうものだ。
俺はこれから、世界に名を残す。
その道は楽ではない。
多くの人間を裏切り、踏み台にして、恨まれてもいくだろう。
そんな修羅の道を歩くにふさわしい女が、LINEの未読くらいに動じるな。
俺にふさわしい女になれ。
俺が来なくとも愛されている自負を持て。
「社長、そろそろですよ」
「ああ」
いかん。
ついお前のことを考えていたら、仕事のメールを忘れた。