2019年12月27日 19:30
そんな男とまだ付き合うの?…「不毛なモノ」を捨てる簡単なコト#16
物理的に「財布からお金が減っていく」のが実感しにくくなるからです。ちなみに10月から政府が行っているキャッシュレス消費者還元事業はこういった人間の行動心理をうまく利用しながら還元金も振る舞い、出費の痛みの強さを小さくして消費活動を高めようと試みています。
また、心理学者のナオミ・アイゼンバーガー博士によると、脳には心の警報装置とも喩えられるACC(前帯状皮質)という場所があります。さて、ここは肉体的な痛みや嫌な肉体感覚を感じたときに活性化されますが、人間関係における拒絶、別れ、排除という社会的な痛みでも反応します。
つまりサンクコスト効果は、出費の痛み、そして「今までの関係性がムダになる」といったゴールや意図に反した社会的な痛みを避けるために、目の前の現実を「損していない」と歪めて認識する心のサバイバル本能なのです。
マインドフルネスがサンクコストの罠を救う?
さてINSEADという経営大学院(余談ですが、一年の学費1000万円超え!)とペンシルベニア大学の研究者たちは次のように提唱します。「サンクコストは過去にやってしまった出費。だったらマインドフルネスで“今ここ”に目を向ければ、サンクコスト効果に影響されにくくなるのでは?」