2021年7月8日 21:00
手当たり次第会ってもダメ…! 高確率で「運命の人と出会える」方法
家でママに自分の話を「タクちゃん、すごいすごい」って聞いてもらって育ったに違いない。ママの顔が浮かぶよ。
小学生時代の武勇伝から、今の職場での活躍エピソードまで語る語る。さりげない感じを装いつつ、ガッツリと「すごい俺」エピソードを挟んでくる。まだ続くの!?と内心ウンザリ。
あくびを必死でこらえる3時間。まあ、一回くらいエッチしてもいいけどの思いはよぎる。今日も運命の男は出現せず。
純也から電話がかかってきたのは、デートの帰り道。夜道をコツコツ歩くヒールの音が聞こえたのか「あれ、菜月、今日遊びに行ってたの?」と聞かれる。「うん、美波と会ってたの」と答えると「美波ちゃん?ああ、大学の友達の子ね」とあっさり信じる純也。そう、純也はいつも菜月の嘘にまったく気づかない。
菜月は女友達と遊ぶ時、ローヒールしか履かない。まわりの女子よりも背が高いのを気にしているから。なんで、純也はこんな簡単な嘘にも気づかないんだろう。心の中で純也をバカにする。
嘘をついているのは自分なのに。
週末は、本当に美波と会った。「最近どうよ。結婚できそう?」と聞かれ「全然ダメ」と答える。研修医の彼氏もいるし、3日前の拓造くんからは「菜月ちゃんと付き合いたい」