2016年9月12日 10:15
鏡リュウジ×寺山マル×田波有希~タロット×漫画『サングリアル』座談会vol.1【恋占ニュース】
逆にそういう世界がつくれちゃうんだろうなっていう不思議な感覚になりました。
もともと漫画そのものがファンタジーみたいなものですが、占いを通せば、もっとファンタジーにしても違和感なく表現できるんだなと思ったら、自信を持っていろいろ膨らませられるようになったんです。
鏡:なるほどね。実はタロットってわりとよく漫画のアイテムに使われているのですが、素人目にストーリーをつくることを考えると、占いはすごく扱いが難しいと思うんです。例えば推理ものの場合、占いで答えが全部わかったら話がそこで終わっちゃう(笑)。
今回の作品は、先のことが全部が見えているわけではないけれど、伏線としてヒントのようなものが出てくるその描き方が、非常に絶妙なすれすれのラインというか。それがすごいなと感じました。
田波:鏡さんの仰る通り、全てわかってしまったら話として全く面白くないですよね。
これまでタロットが出てくる漫画はたくさんあったけど、だいたいは何かの象徴としての登場でした。タロットってビジュアルはいいのに、漫画にすると意外と地味になっちゃうんですよね。
でも寺山先生は、占いシーンを心象風景として、イマジネーションを絵のカタチにする力がすごくある方なんです。