2016年9月28日 10:15
鏡リュウジ×寺山マル×田波有希~タロット×漫画『サングリアル』座談会vol.3【恋占ニュース】
「ウェイト版」の謎は小アルカナ
編集部:「ウェイト版」以外のタロットについてはどう思われますか?
田波有希(以下/田波):「トート・タロット」(※1)なんかも面白くて好きなんですけど、やっぱり私は「ウェイト版」派です。
鏡リュウジ(以下/鏡):「ウェイト版」と「トート・タロット」だと、その誕生の仕方からして違うんですよね。「ウェイト版」は「ウェイト・スミス版」とも言って、最初の発表の場は「オカルト・レヴュー」というオカルト雑誌なんですよ。
ウェイトがこれを商業誌で発表したことを、クロウリーは「ウェイトは商売に走った」と批難して、その後に自分でタロットを出したんです。
田波:なるほど。そもそもの方向性が違うんですね?
鏡:はい。ちなみに、ウェイト自身は「ウェイト版」のタロットがあまり気に入っていなかったようで、よりキリスト教神秘主義的なタロットものちに出しています。
田波:知りませんでした。
見てみたいです!
鏡:一般的には「トリニック版」と言うのかな?カード化はされていないのですが、本にはなっています。占いに使うものではなく、どちらかというと瞑想用のものですね。
田波:でも絵柄はタロットなんですか?
鏡:ええ。