2017年7月1日 23:00
「愛憎」と「愛情」の境界線はどこにあるの?対等な関係を築くための心理学コラム
2015年の『あん』に続き、河瀬直美監督と永瀬正敏さんが再びタッグを組んだ映画『光』が5月末に公開されました。
弱視のカメラマンと、映画の音声ガイドを制作する女性によって織り成されるストーリーに、生きることの意味を深く考えさせられる…そんなメッセージ性に溢れた作品です。
生きていく中で失ったものを忘れられず、執着し続けてきた人々はどのように喪失を乗り越えていくのでしょうか?
◆前回のまとめ
前回は、自律と自立の違い、手助けと甘やかしの違いについて解説しました。
他人の助けを借りずに自分の決めたルール通りにこなしていくこと=「自律」
自己アイデンティティを自分ひとりで確立すること=「自立」
でしたね。
その上で「自律」や「自立」をする努力もせず、他人任せにするのは「たよりにしている」のではなく「甘えている」だけだ、と説明しました。
今回はこの「甘え」を掘り下げながら、愛情と愛憎の境界線はどこにあるのかをお話しします。
◆自分で解決しない女性たち
私は以前、とあるSNSの恋愛相談コミュニティーを管理運営していました。
年間2千人以上におよぶ方々の恋愛相談を承っていたのですが、そこには本当に多くの「束縛をしてしまう女性」