恋愛情報『『サウダージ』が“私の”曲になるまで』

2020年3月31日 17:00

『サウダージ』が“私の”曲になるまで

けれど、LINEが1日に1000件きたりひどい暴言を吐かれたりするようになるにつれ、私も会社を休みがちになっていった。

ある日、彼と一緒に美術館に行って、お金を払おうとしたら「あ、手帳あるから無料で入れるよ」と止められた。彼の手帳を見た受付の人が「1名様とその介助者の方は無料です」と言ったとき、誰も悪いことをしていないのに、“介助者”という言葉に胸を刺されたような気分になった。

■別れが引き寄せた名曲との再会

別れ話をしたのは1年後の春で、それも新宿だった。カレー屋で向かい合って座り、泣いてしまうから先に置いておこう、と隣のテーブルの箱ティッシュをつかんだ時点で涙が止まらなくなった。泣きながら「わか」まで言うと、彼は絶句し「店変えよう」とカレーをほとんど残してそこを出た。

私たちは何も喋らなかった。新宿に立ち止まって話せる場所は少なく、歩き続け、空車の多い駐車場をやっと見つけると車止めブロックの上に座った。大声で泣きながら「どうして好きなのにこんなことになっちゃったんだ」と悔しがる私に、彼は何度も「ごめん」と言った。別れるという結論にお互いが納得するまで半日かかった。喫茶店やファミレスで大泣きして周囲の客にギョッとされては店を変え、3軒ハシゴし、最後に寄ったバルで彼は吹っ切れたように「よし、ここを出たらもう他人だ」

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