様々な才能に恵まれ、さらには頭脳明晰、仕事もデキて人望厚く、晩年は国を左右する重要なポストについているのです。
けれど、そんなハイスペックな源氏も全てが順風満帆だったわけではありません。
一度は都からの追放、いわゆる左遷されたこともありました。
その間も家を守り、源氏を励まし支え続けたのが紫の上なのです。
政略結婚だった最初の妻と違い、紫の上は源氏に選ばれ妻の座につきました。
夫の行動や考えに寄り添い、何があっても常に味方でいてくれる…源氏にとって紫の上は帰るべき家のような存在、それはまさに"理想の妻"だったのです。
紫の上に学ぶ、男を育てる"見守り力"とは
紫の上は、夫を出世させる、"内助の功"の見本のような存在といえます。
現に、源氏の出世は紫の上の存在無しにはなり得なかったでしょう。
落ちぶれたときも見放さず、源氏が連れ帰った愛人の子も大切に育てました。
愛人の子…とまでは言いませんが、男のダメなところも受け入れ、フォローする…これが紫の上の見守り力です。そして、それは女の"器の大きさ"の表れでもあります。
男性には常に強くあって欲しいのが本音ですが、良いときもあれば悪いときもあるし、落ち込むことも、弱音を吐きたるなることだってあります。